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むやみに医薬品に頼る前に、食生活の見直しをしてみませんか?

〜 健康であるために 〜
医食同源
◆医食同源

皆さん、体調が優れない時や不具合が合った時、どのように対処していますか?

恐らく 大半の方が常備薬を服用するかお医者さんで薬を処方してもらうかのどちらかではないでしょうか?

西洋医学の発達と定着がもたらしたものであるかどうかは定かではありませんが日本人というものは本当に薬が大好きな民族です。

ちなみに世界で最も薬を消費している国は、大国アメリカでも漢方の本場中国でも医学先進国ドイツでもなく、この日本なのだそうです。

確かに、日本人は何かあればすぐに薬に頼るという傾向がある事は強く感じておりましたが、たかだか人口一億数千万の島国が大国を出し抜いて薬を消費しているという現実に、私は少なからず恐怖を覚えました。

私は許されるなら極力、薬の服用は避けたほうがよいと考えています。

薬品、特に医薬品というものは人体にはっきりとした作用をします。

それと同時に、ある一定の作用が起きるという事は必ず反対の作用が起きます。
つまり副作用という問題が必ず付いて回るということです。

それに医薬品というものの大半は化学合成物質が多量に含まれていますので、その効果と引き換えに根本的な抵抗力、即ち自己免疫力を弱めてしまうのです。

ですから、薬品は、根本的な改善・治癒には不向きであるとも言えるのです。

では、薬や化学的治療に頼らずに積極的な治癒を求めるにはどうしたらよいのでしょうか?

その問題に関しては、非常に複雑で「これ」という決定的な対処法が未だ確立されていません。

ただ、間違いなく言える事は、そうした対処療法よりも予防医学がとても大切であるということでしょうか?

そしてその予防医学の中心を担うのが「食」であると私は考えています。

医食同源とはよく言ったもので、食事を上手に摂というる事は、お医者さんや薬に匹敵するほど健康維持には大変重要なことです。

「医食同源」とは、「病気を治療する(医)事も、日常の食事をする(食)事も、共に生命を養い、健康を保つために欠かせないもので、源は同じ(同源)である」という意味です。

日本でも古来から食こそ薬と見なす考え方があり、薬膳というものはそういう観点から生まれた食養法のひとつです。

食は我々の肉体を形成し、健康な状態を保つのに最も必要なものであり、生命維持に決して欠かす事のできないものである事は言うまでもありません。

しかし、先進国であればあるほど、飽食であればあるほど、医食同源という思想から徐々に離れ、美食のみを追い求めた非常にアンバランスな食生活を送るようになってしまいました。

それは日本とて例外ではなく、ファーストフードに代表される欧米食が瞬く間に根付き、日本の誇る食文化が大変な勢いで破壊されつつあります。
その結果、一昔前では考えられないほどの生活習慣病が蔓延するようになってしまいました。

もともと日本人は肉食中心の欧米食を食べ続けられる体の構成ではありません。
それは、皆さんご存知の通り、他の人種と比べ日本人は腸がかなり長い構造になっているからです。

比較的消化・吸収に時間のかかる野菜や穀物を主食とする日本人は必然的に腸を長くする必要性があり、逆に西洋人は肉食中心ですから、摂取した食物が腸内で腐敗し易く、腸内発酵による悪玉菌の毒素の影響を受けやすいため、できる限り早く体外に排泄できるよう、腸が非常に短い構造になっているのです。

そんなこと誰でも知ってるよ?バカにするな!なんて怒られそうですね。

そうです。それくらい常識的な事であるはずなんです。
では、もう一度ご自身の食生活を振り返ってみてください。

朝食や忙しい時の食事をパンやシリアルで済ませてはいませんか?
ファイバー入り飲食物で食物繊維の摂取を済ませていませんか?
パスタやハンバーグやピザで食事を済ませていませんか?
ファーストフードで食事を済ませていませんか?
やたらとサプリメントに頼る食生活をしていませんか?

若い方でしたら尚の事心当たりの一つもあるのではないでしょうか?

そんなもので済ませなくても、ご飯や味噌汁、旬の野菜や果物、糠漬けや納豆といった自然発酵食品など日本人の体質に合ったものがたくさんあります。

実際に、日本食は世界的に見ても素晴らしく高水準なバランスの取れた機能性食品群の宝庫であるのです。

その事は1977年にアメリカで発表されたマクガバン・レポートにも記されています。

ちなみにマクガバン・レポートとは、当時のアメリカで生活習慣病が激増した原因を究明するべく大統領令によりマクガバン上院議員を中心としたアメリカ上院議員栄養問題特別委員会が組織され、世界中の資料を集め、二年間に渡り研究した結果作成された、実に5000ページを超える報告書の事です。

そのマクガバン・レポートには「諸々の慢性病は、肉食中心の誤った食生活がもたらした食原病である」という指針を明示し、加えて「最も理想的な食事とは元禄時代以前の日本人の食事である」という食の理想像を打ち出していたのです。

しかし、現代の日本人の食事はどうでしょうか?

かつてのアメリカが犯した食文化の荒廃を見事にトレースしているではありませんか。

確かに戦後の日本は欧米からは非常に優れた産業や新しい文化を驚くほど短期間で得る事ができました。
そして国は豊かになり、人々の生活水準も年々向上して行きました。

ところが、最も誇るべき日本の美しい食文化までも欧米化の波に揉まれ、悪しき方向へと変化してしまったのです。

日本には「医食同源」だけでなく、風土と身体は一体であると言う意味の「身土不二」や、食材は丸ごと全部食べことにより、全てのエネルギーが得られるという「一物全食」という素晴らしい思想があります。

己を知り、旬を知り、食を知る事で間違いのない食生活というものが見えてくるはずです。

全てを正しく続ける事は難しい時代になってしまいましたが、むしろこんな飽食の時代だからこそ、正しく選んで食べることが大切なのです。

どうか「医食同源」を忘れずに、一食一食を大切にしていきましょう。

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